行きたくない病院

インドの病院には公営と私営の病院がある。公立病院は安いが設備・衛生状態が悪い。

英語のHospitalは公立病院を意味して、レベルの高い私立病院はClinicやNursing homeと称している。私立病院の衛生状態はかなり良く、個室に入院すれば日本の病院と変わらないし、医師のレベルも高いが値段も日本並みになる。

一方、公立病院の患者は中流以下の階層が主体となるため、待合室は汚い。壁は手垢で黒光りしているし、床は埃とごみで汚れ放題。

診察室も待合室よりは若干良いと言える程度で、病院とは到底言えない。医者自身の衛生管理も不安で、前の患者を診た後、手も洗わず次の患者を診察する。日本でも病院に行くと別な病気をもらうのではと不安を覚えることがあるが、インドではもらわないほうが不思議に思えるほどだ。

私立病院のレベルは結構高いが、やはり医者・看護師の衛生観念に不安があるし、待合室は公立病院と大差ない。このため日本の会社・領事館の駐在員は、重病に罹ったり手術を必要としたりする場合にはシンガポールか日本に行くようになっている。