②「エレベーター」を「エべレーター」という。【音韻意識】が育っているか? 単語の発音を含めて正確に言えない。自分の名前や、言葉を言いながら、一音一歩ずつ移動する。あるいは、すごろくのコマを動かす遊びができない

③話し方に流暢性があるか。「この、その、あの、どの」など物の名前をはっきりと言えない

④聞き返しが多い。記憶を瞬間保持するワーキングメモリーが弱い

⑤物の名前を覚えにくい。言葉の記憶ができない。【聴覚短期記憶】が弱くないか? 歌の歌詞を覚えることに苦労する。音のイメージが蓄えられない

⑥ことば遊びが苦手で、やろうとしない。言語面で心理的負担があるか?

特に⑥は子どもにプライドの低下や疲労感をもたらすので気をつけることが必要です。SLDは、読むのが遅く文字を音節に変換する変換機能の障害があるため、勉強すべてが嫌になったり、勉強をしたりするのがつらい状態が続きます。

文字は目に見えない音を目に見える形に表したものです。「聞くこと」「話すこと」が言葉の発達の基盤(ベース)となりますので、幼児期には文字に対する意識を高めるように手遊びやことば遊びをとおして、言語環境を豊かにし、素地づくりをすることが大切です。

保育園等では、文字そのものを指導することはありません。しかし、どこの園でも「絵本の読み聞かせ」は、ほぼ毎日おこなわれています。それが「ことばが楽しい」「文字への興味関心」「見ること・聞くことへの集中」という素地づくりにつながります。

また、発音をよくするためには、舌の動きがスムーズになる必要があります。子どもは毎日、食べる行為を通じて、舌の動きが滑らかになっていきます。よく噛(か)んで食べることが、発音をよくするための舌の運動となります。