第3章 ヒューマンエラー防止対策

2、ダメージを防ぐカベの設置

次に組織における活動を例に、要素別に設置するカベのポイントを述べます。

2-2 L-H(ハードウエア)

ハードウエアにおけるカベのポイントは、そこで活動する人が円滑に業務を進められるように、設備の機能、操作性、配置などを整えることです。有効な方法は、“にくい”を徹底的に探し出すこと。

つまり、“分かりにくい”、“操作しにくい”、“見にくい”、“やりにくい”、“通りにくい”など、現場で見つかったこれらの“にくい”を改善します。

この“にくい”に関しては、現場で意識されていても、改善には至らない場合が多くあります。その理由は、改善しなくても活動が滞るところにまで至らないからです。結局、“にくい”まま活動を続けてしまうのです。

しかしその反面、改善すれば意外に“良くなった”と実感できるのも、この“にくい”なのです。特に現場における“見にくい”の改善。掲示板の配置や字を大きくして見易くするなどの対策は、そこで活動する人の負荷を軽減させる大きな効果が期待できます。

更には、“使う装置が仕事に合わない”場合や、“必要な装置自体が近くになく、作業の開始がその装置を探し出すこと”などの状況が発覚したときは、仕事の効率を考えると早急に改善すべきです。