はじめに

私の人生を振り返ると、本流としては、

誕生→幼少期→学生時代→サラリーマン時代→結婚・育児→神戸天然物化学の創業→会社経営時代→マザーズへ上場→家内の介護と死去→引退と老後人生→人生の終点。

と続き、現在は81歳を迎えて老後人生を生きている。ターニングポイントのみを書けば簡単だが、その間にも色々なことが重複して起こった。

詩人・高村光太郎の「道程」が示すように人生は未知の出来事に満ち溢れている。一般的な人生に加えて、次々と新規問題が起こる。そこには私1人では対処できない出来事も起こる。

しかし、問題点は異なるが全ての人が大きな問題を抱えて生きている。我々の努力で解決できる問題もあれば、解決できない問題も沢山ある。それでも新しい人生を築くのは我々であり、81歳を過ぎても未知の世界への出発はワクワクするものがある。

人生の最終段階を生きているが、この期に及んでも〝何か新しい仕事ができないものか〟と考えたりする。勿論、考えるだけでは意味がないので老後人生を楽しいものにしたい。

私は父の自我(信念)との戦いを何度も繰り返してきた。初めはどうにもならない相手だったが、武力(勿論、使ったことはない)と知力を高め、徐々に子供の方が優勢となった。

サラリーマン時代の人事異動(研究部から製造部、営業部へ)による私の人生の修正、結婚と大家族主義との戦い、重度障害児(長男)の養育、神戸天然物化学(株)の起業、家内のリューマチと脊髄小脳変性症の難病との付き合い、家内の介護、家内の急性心不全による突然死との遭遇等々が発生し、本流の人生の中に沢山の問題が関わってきた。

また、55歳の時に筑波大学の博士課程に入学して、大変な人生の道草をした。これらの出来事を含めた営みが私の人生である。