刑事狩り

佐伯らが現場に到着すると、警察犬に見守られて女の子が泣いている姿が目に入った。

「課長の佐伯です」

「警察犬係の山田です。怪我等はないようですが、この子の話だと、家に帰る途中に男の人に連れて行かれそうになったんで走って逃げたと」

佐伯は女の子に話しかけた。

「怖かったね。もう大丈夫だからね。おじさんと一緒にお母さんのところに帰ろう」

女の子は無事保護され、佐伯らとともに署に向かった。

佐伯らが署に到着すると、児童を無事に保護した一報を聞いた特殊犯捜査係員も署に戻っていた。

「課長、良かったですね」

「ありがとうございます。無事に保護できて本当に良かった」

「で、どんな状況ですか?」

「状況からして性的いたずら目的の誘拐未遂事件ではないかと」

「わかりました。では被害者対策は引き続き我々が担当しますから、課長の方は防犯カメラ画像の回収等をお願いできますか」

「了解」

佐伯は捜査員に対し、現場周辺の防犯カメラ画像を幅広く回収・解析するよう指示を飛ばした。

「補佐、加藤係長は?」

「あれ? すみません、女の子の保護に気を取られてました。手塚! 加藤係長はどこだ!」

「女の子の家にいるんじゃないですか?」

「そんなことないだろ、家にいた捜査員には署に戻ってくるよう指示したはずだ」

「そんなこと私に言われても知りませんよ。防カメの捜査に行ってきます」

手塚は早々に部屋を出て行った。

その後、加藤は部屋に戻らず、城島が電話しても出ることはなかった。現場周辺の防犯カメラ画像を回収し、被疑者の映り込みがないか解析した結果、現場で女の子の手を引いて歩いていた被疑者を発見した。

この画像を本部に持ち込み前歴者と照合した結果、過去に強制わいせつの前歴がある男が浮上、さらにその男が現場直近に居住していることが判明した。

「よしみんな、あともうひと踏ん張りだ。証拠を固めて逮捕状を請求するぞ」

佐伯の指示の下、捜査員らが逮捕状請求に向けて準備を始めた。

次の日の朝、佐伯は裁判所からの逮捕状の発付を受け、被疑者逮捕に向けての準備を進めていた。そんな中、加藤が始業時間ギリギリに出勤してきた。

「おっ、何だ?朝からバタバタしてんな。いいホシでもパクったか?」

「お前、今まで何してたんだ!」