惑星キチェケ

地底都市フンハウ

32

コアトリクエに移動する。思えば最初に来たのもコアトリクエだったのだろう。

あるのは砂鉄の砂漠だった。

ワルテル「コアトリクエの入り口はどこにあるんだ?」

アタワルパ「精霊があればどこからでもいけます」

スコット「何故最初に言わなかったんだ?」

アタワルパ「聞かれませんでした」

信介「じゃあ、コアトリクエに連れて行ってくれ」

研究所のような部屋が現れた。

見たことも無いスタイルの研究室だ。キーボードではなく何やら水晶の球のようなものがある。糸に結び目が付けられた何かがある。

何より部屋全体が金でできていて文字みたいなものが並ぶ。

台座にはカプセルに入った塵がある。

無人のようだ。気配が無い。

スコット「誰かいないのか?」

アタワルパ「ここには神がいます。創造神ビラコチャが」

スコット「フンハウの人工知能ということか……」

ケイン「ビラコチャは何をしているんだ?」

アタワルパ「小さな機械を元に人工進化をして生態系を調整して世界の神として君臨してます」

ゼイル「住人はどうしたんだ?」

アタワルパ「戦争の責任を問われビラコチャに追い出されました」

ゼイル「戦争に勝ったのか? 負けたのか?」

アタワルパ「戦争に勝ちましたが始めたのがコアトリクエ側だったので住民を追い出してます」

クステリア「ビラコチャは地上人に精霊をもたらしてくれますか?」

アタワルパ「地上人は争ってばかりでインカでさえも別民族に征服されているので良いように思っていません。地上人がもしこのまま地球温暖化で自滅するならフンハウは関わらないつもりでいるようです」

スコット「……ならそもそも私たちは地上に戻れるのか?」

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スコット「地上に戻れるのか? 我々は」

アタワルパ「ビラコチャは許可を与えていません。ひとまずコアトリクエを出ますか?」