本書は、「ご機嫌な人生を送るためには6つのことを実施することが必要である」という仮説を立証するための人生を賭けた壮大な人体実験の物語です。ご機嫌な人生を送る という目標を意味がないと決めつける人はいないと思いますが、本書では、まず 幸せとは何か?を考察し、幸せになるための具体的な方略を提示し、既に実践を開始している成果を紹介し、最後に10カ年計画の途中経過と定年後の展望についても述べたいと思います。

研究の世界では、公的研究費を獲得するために、研究の目的、研究目的を達成するための研究方法・準備状況、研究遂行能力、研究構想に至った背景と経緯、研究の独自性・創造性・意義などを研究計画調書としてまとめて申請し、ビアレビュー(同じ専門領域の研究者の中で評価を行うこと)で審査員が評価し採択・不採択を決定します。

本書は、まさに 幸せになるための研究計画調書です。読者の皆さんが本書を手に取るか否かが、幸せになるための研究費の採択・不採択を意味し、私が80歳になっても、いや100歳になってもご機嫌な人生を送っていたときに、本書の仮説が立証されることになるのでしょう。

ガイダンス

幸せとは何か ~幸せを知らないと幸せにはなれない~幸せになるためには?

幸せとは何か?を知らずして、幸せになることはできない

私が50歳の時に父が他界しました。享年80歳ですが、その時に、私は自分の人生のエンドポイントを意識するようになったのです。

父の人生は、戦後の高度経済成長の時期に、志をもって丁稚奉公から切磋琢磨し、浮かれることなく自制をして資金を貯めて、起業しました。そして、会社を大きくするために寝食忘れ仕事に没頭し、人生の目標を達成することになるのです。

しかし晩年は、大腸がん、胃がん、食道がんと消化器系の病気に苦しめられました。志をもって駆け抜けた人生は充実したものであったと思いますが、晩年の闘病生活のために充実した人生の最後は病気を恨めしく思ったことであろうと想像します。

このような父の一生を鑑みると、人生のどの場面にいたとしても、未来に希望がもてるなら志をもつことができますが、そうでないのなら生きる気力が萎えてしまうのではないでしょうか。こうして私は、幸せな人生とは何か?を真剣に考えるようになったのです。