倉敷市内篇

倉敷民芸館、大橋家住宅で花展  2008年2月28日(木)

小さな変化、ですが。倉敷川に面した倉敷民芸館は、江戸時代後期に建てられた米蔵を改造して昭和23年に開館。東京・駒場の日本民芸館が昭和11年に開館したのに次いで、日本で2番目にできた民芸館だそうです。川の向かい側にある倉敷織物研究所を主宰しておられた外村(とのむら)吉之介氏が初代館長です。

門前にも膝丈くらいの壷に花が生けられていました。門を入って右手が受付。招待状があるので1,000円のところが無料。お花は一期一会なので当然撮影はいつも許可されるのですが、展示品は? とお聞きすると、珍しいことに撮影できるそうなので喜んで入りました。

狭い階段を2階へ上がると、頑丈な金具のついた箪笥の引き出しを引いてその中に春らしいピンク系統のお花が。これが招待券を下さった人の作品でした。途中の広間ではその本人と、以前パソコン講座の受講生だった人にも会うことができました。

器や、労働のための刺し子や、家具などの展示品の間にしっくりとなじんでるお花の作品がとても好ましくて、デパートなどでの花展にはない存在感。花展のための花ではありますがその場をなごませる役目をしっかりと果している生きた花だなあと感じました。

それと同時に、たしか若い頃に一度来たきりだった民芸館ですが、生活に根ざした民芸品というものがこんなに温かみがあったのだということを、長年主婦業をしてきたせいかより強く感じながら拝見しました。

出口でそんなようなことをアンケートに記入し、さて次は大橋家住宅へ。駅前からのメインストリートを横切るとホテル日航(現・倉敷ロイヤルアートホテル)の北東に隣接しています。入り口はそれほど大きそうに見えないのですがこれが長屋門で奥に広い広い母屋があります。

受付で一分間ほどの説明を音声で聞いてから中へ。右手の蔵の中には明治大正期と思われる当主が当時の最新型?の自動車の前でポーズを取っている写真やら人力車で屋敷を出る写真。大きなお雛様の展示なども。その蔵には往時は米俵がぎっしりと積まれていたことでしょう。

蔵の前には井戸があり、その蓋にもお花の作品。母屋に入ると広い土間にも竹を曲げて作ったオブジェ風の作品。お座敷へ上ると火鉢の中やらかまどやら、上がり框の上げ蓋の中にもお花が。民芸館とは違いここは床の間のあるお座敷がいくつもあり、迷子になりそうなくらい広かったのですが、床の間に生けられた花よりは意外性のある場所に生けてある花が草月流らしくて面白く拝見しました。