イントロダクション

唯一の趣味が読書です。特に文学が好きで、小説はもちろん、詩歌や戯曲に批評も好んで読みます。

ある晩、不眠症に苦しんでいたころのこと。飲料メーカー主催の俳句コンテストにスマホから応募しました。忘れたころに連絡が来まして、なんと最高賞(!)を頂戴し、一生分の運を使い果たしたな、と思ったのを憶えています。

授賞式での合同記念撮影の際、隣に座られた俳人の黒田杏子先生が、私のスピーチを聴き、こう訊ねられました。

「あなた、小説も書いているの?」

やはりおかっぱ頭でモンペ姿なのだな、などと感心しつつ私は、はあ、と覇気のない返事をしますと、ふーん、と素っ気ないご返答。その後、飛行機の時間が迫り、慌ただしい中ミーハーな私は、審査員の方々と写真を撮ってもらいました。

そしてこの時、先程の黒田杏子先生が名刺をくださいました。桃色でした。著名な方から戴いたのは初めてです。しかし、のちに最終審査会の映像を観ますと、黒田先生は私の句を一度も推しておられないことが分かりました……。

けれども、そこから私は俳句に興味を抱き始めたのも事実です。ここに収められているのは、結社や同人はおろか、句会にすら参加したことのない私の、あまりに拙いトーシロの作品です。こんな奴でも、俳句って詠めるんだ、だったら自分も、そんな気持ちで手に取っていただけたら幸いです。

第三十回伊藤園お~いお茶新俳句大賞

文部科学大臣賞

猫の載るヘルスメーター文化の日