少子化によって、今現場で起きている事

私は当時、不特定多数の一般の方を対象としたサービス業を営んでいましたが、二〇〇〇年代初め頃からきれいに毎年一割ずつ会社の売上が落ち込んでいくようになりました。

写真を拡大 世代別人口構成のグラフ

はじめは、お客さんがどこか規模の大きな同業他社に取られているものだと思っていましたが、ある時気が付くと、経営している店舗の周辺の飲食店などのお客さんまで減り始めているのに気が付きました。ちなみに店舗の場所は、名古屋の中心地にある住宅街の駅の周辺で、けっして過疎化が起こるような立地ではありません。

そこで自社のお客さんを詳しく調べてみると、私が仕事を始めた一九九〇年代の頃は、来店されているお客さんの中心は二十代から五十代くらいの働き盛りの人達ばかりでしたが、二〇〇〇年代辺りから仕事をリタイアされた年金生活者の数が増え始めていたのです。ちょうど世間では、団塊の世代が定年を迎え始めた時期でした。そして、それに伴い店舗の客単価とお客さんの総人数が減り始め、店全体の売上が減少し始めていたのです。