【前回の記事を読む】詩集「村においでなさい」より三編

第二章 枯れ木

枯れ木 2

大きな枯れ木くん

君の役割には感服したよ

今年の春まとわりついたつたから

青青した葉っぱが茂ってきて

その後

薄紫の垂れ下がった藤の花が

木全体に咲き誇り

それは見事だったよ

どんな木だったのか

記憶にさえないけど

この新たな君の役割は誰もが記憶に残すだろう

あまり教訓ばかりでは息が詰まるけど

本来の自分でなくても

誰かの何かの役に立っていくなら

喜んでもいいのかな