遊んでいないと考える力は育たない

なぜ、知育ばかりに時間をかけて自由に遊んでいないと、考える力が育たないかというと、この子の行っていた××アカデミーのようなところで行う知育は母親が子供とイロハ積み木をやるような知育とは違うからである。ある事柄が解決できるように道筋をつけてあり、その道筋通りにやれるように訓練するパターンが多いのである。その訓練を楽しんで積極的にやりたがる子もいるが、自分で新しい知識を取り込もうとする衝動が減ってしまうため、学習取得に弊害が出てくる子も少なくないのである。

記憶力、処理能力などは、生れつきの違いもあり、そのような部分もからみ合うし家庭での生活の仕方も関係するから単純には言い切れない。学習取得能力の欠如が小学校低学年で出てくるか、中・高学年で出てくるかは個人差があり、目立つようには出てこない事もある。

強制的に遊ばせる某私立小学校

私の知人に私立小に子供を入れた人がいる。その人の話では、子供が通うことになった有名小学校では授業が終了しても、すぐに帰宅するのを禁止して校庭で徹底して遊ばせるそうである。その小学校の先生方は、有名小学校入試の関門をくぐった子の中の多くが、幼児期に充分遊んでいない子供だということを知っているのだ。"遊んでいない子"は"学習取得能力が低い"ことを経験的に知っているため、"強制的に"遊ばせるのに違いない。

しかし、全ての私立小でそういうことが行われているわけではない。その相談に来た男の子の小学校も、放課後に帰宅させないで遊ぶことをさせてはいなかった。