ともすると男の一物が外れやすいのが女性にとっては泣き所で、しかも陰核が全く刺激されないものだから、男性側がそれを補うように手指を用いる必要がある。トルコなどではこの体位が好まれたようで、性の秘記「バルカン戦争」の挿絵としてこの情景が多く描かれている。

「あれ~、いきなりご無体な……」

お豆は(むせ)るばかりの脂粉を漂わせ、ちらりと政子の様子を(うかが)った。判官は、早くも感じ始めた女の上気した熱い頬を、ぶ厚い唇でくすぐり、のけ反ったうなじに執拗に唇を這わせつづける、時々政子の方に目を配りながら女に添い寝をするようにして、脇の下に一方の手を通して豊満な乳房を揉み上げ、悶え始めた女の伸びのある下肢を片肢で絡め取るようにした。

そしてもう片手を女の下腹部へ滑らして、その漆黒に光る(くさむら)(てのひら)で逆なでするようにし、指先で女陰の花弁を左右に広げるしぐさを見せると、そこはもう熱い炎が燃えたぎっていた。さらに二本の指先で(ひだ)の割れ目をまさぐり始めると女は、ああっ、と白い首筋を浮き立たせて喜悦の呻きを漏らした。

「殿、(わらわ)のお乳も吸ってくだされ」

もう女は政子の存在など眼中にないかのように官能の情を燃え立たせて、熱っぽく喘ぎながら、男の腕の中で狂おしげに痴態を揺すり続けている。判官は夜具の上にデンと腰を落とすと、妖しく悶える女の裸身を両手で抱え自分の膝の上へ無理やり乗せようとした。

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