銀行家・経営者 Georges Bénard

ジョルジュ・ベナール1881.11.8 パリ─ 1934.5.27

『ジョルジュ・ベナールの肖像(1923年頃作カンヴァスに油彩 64×51cm マリー・ローランサン美術館蔵)』

ニューヨークパリ万国博覧会に合わせて建設されたメトロ(地下鉄)が正式にポルト・ヴァンセーヌ、ポルト・マイヨ間で1号線の一般営業を開始したのが1900年7月19日でした。

万国博覧会の付属大会として行われた夏季オリンピックは開催期間が5ヶ月にも及び、メトロ開通の7月に行われた陸上競技のみがオリンピックの正式競技として認められています。

パリのメトロの象徴と言えばエクトル・ギマールがデザインしたアールヌーボー様式を代表する入口のÉdicule(小建築物)ですが、ギマールがこのコンペティションで選定されるのに大きな影響を持ったのがベナール銀行の創始者アドリアン・ベナールでした。

その双子の息子の兄であるジョルジュは欧州連合の生みの親ジャン・モネとも親交があり、マリーの芸術庇護者の一人でもありました。

現在オルセー美術館にあるアールヌーボーの室内装飾を移築した部屋は彼の父アドリアンの別荘の一画です。ドイツ人男爵と離婚し、男性の肖像画を描くことに大きな抵抗感を持っていた時期に、特別にマリーは彼の肖像画を描きました。

この作品『ジョルジュ・ベナールの肖像』はジョルジュの子息で初代駐カメルーンフランス大使でもあった故ジャン=ピエール・ベナール氏からマリー・ローランサン美術館に寄贈されたものです。