【前回の記事を読む】詩集「まかろんのおもちゃ箱」より三編

【花の季節】に送る詩

「空に蒔く花」

紅い夕焼け 広がる血の色

涙も叫びも 何もかも

内に抱きこみ うずくまる街

花を蒔こう ひとつの花を

誰もが持ってる ひとつの花

誰もが持ってる ひとつの願いを

紅い夕焼け 血の色広がる

空に蒔いた ひとつの花は

ひいらりひらり 風に乗り

海越え 山越え 野原を過ぎて

青空抜けて 鳥と舞い

虚空(そら)の彼方へと 流れゆく

花を蒔こう ひとつの花を

誰もが抱える ひとつの願い

怒りも苦悶も争いも

ただひとつの望みのために

この身ひとつの小さな幸せ

誰もがそれだけを望んでる

花を蒔こう ひとつの花を

全ての上に広がる空に

この身ひとつの小さな幸せ

ただ安らぎを愛を 願ってる

全てはその心でつながっている

全てはこの空でつながっている

空に蒔いたひとつの花は

海越え 山越え 野原を過ぎて

虚空(そら)の彼方へと 流れゆき

どこへと知らぬ 見知らぬ街へ

幸いあれとの人の想いを

広がる空の下 つなげてく

白い祈りを つなげてゆく