ここの学校には、敷地内に大きな池がある。放課後や週末になると、ここでみんなで釣りをする。

「フィッシング・ダービー。」といって、誰が一番釣れたかを競った。けっこう大きい魚がいた。魚釣りが大好きな子がたくさんいた。またその一方で、一人何か思い耽って水面をジイッと見ている子もいた。

「何か心配事でもあるのだろうか。」と、みんな無理に声をかけずに遠くから見ていた。ゆったりとした時間の中で、なんとなくいい感じのフィッシング・タイムだった。

 

五月に入ると、だいぶ日差しが強くなってきた。この学校でも、学校行事として遠足のようなものをする。黄色いスクールバスを貸し切りで、大きな川までお弁当を持ってお出かけをする。二時間ほどバスに乗ると、山の中の大きな川に着く。意外に流れが速い。ここに来たのは、我々の学校だけだった。

子どもたちは、バスから降りると、一目散に一斉に川を目指し、川に入り始める。見ると、すでに水着なのだ。満面の笑みを浮かべて泳いでいる。

「ケンジ、一緒に入ろう。」と言われるが、水着を着ていない。パンツの下ぎりぎりまで足を突っ込んだが、やはりパンツまで濡れてしまった。

急な流れに誰一人溺れることなく、半日川で遊び続けた。子どもたちの体力は半端ない。お昼のお弁当を食べ終わると、足早にバスに乗り、学校に帰るのかと思いきや、途中大きなプール場に寄った。「ウォーターパーク」と言っていた。

「えっ、また泳ぐの。」と思ったのは、自分以外にはいなかったのだ。そこでも満面の笑みで二時間泳ぎ、遊ぶ子どもたち。ただただプールサイドで見つめる自分がそこにいた。