【前回の記事を読む】「これだけ頑張っても彼氏ができない」と毎日ストレスを感じていました

青春した年:恐怖の夜景男

彼の名は、ゴリラ。ガタイが良くて、今にも襲いかかってきそうな感じがまさにゴリラでした。

彼とは、街コンで知り合いました。街コンではあまり話さなかったし、さほど印象に残っていなかったのですが、なぜか街コン後すぐに「今から会えないか」と連絡をくれ、たまたま私がまだ近くにいたので二人でカラオケに行くことになりました。

当時私は婚活全盛期で、合コン、社会人サークル、街コン、婚活パーティー……ありとあらゆる出会いの場に行きまくっていました。

彼は「オレ頑張るけえ、一旦そういうの(合コンなど)行くのやめてや」と言ってきます。その後、ドライブに行こうという話になります。「その日にオレはちーちゃんをオトす」と言う彼。まさかの告白宣言です。ドライブ当日までにもう一回会おうという話になり、その日は別れました。

そこまで彼に興味は持てなかった私ですが、告白宣言をされたことで意識してしまいます。しかし、若干ボディタッチが多かったのが気になりました。この違和感が徐々に恐怖へと変わっていくのです。

二回目に会ったとき、夕食後ドライブに誘われました。「お! どこ連れてってくれるん?」とすんなり乗っかってしまった私。これが大きな間違いでした。

彼の車に乗り込み、「寒くない?」と彼が私の服の袖口を触った瞬間、殺気を感じました。暗い車内で、二人きり。あ、これ、何か嫌な予感がする……。

その予感は見事に的中しました。彼に連れて行かれたのは、公園。何台か車が止まっており、どの車内でもカップルがいちゃついています。

あー、そういうことか。ドライブに応じてしまったことを心底後悔しましたが、連れて来てもらっている以上、何とかやり過ごさなければなりません。

車を降りた後、腰に手を回してきた彼。夜景が見える場所に連れて行かれます。彼の顔が近づいてきます。無理無理。怖い。気持ち悪い。

彼の中での「女をオトせる必殺技」だったのでしょうが、私は彼の顔を一切見ずに、「近い。やめて」と彼を突き飛ばしました。男性経験ゼロの私。やはり、やり過ごすことはできませんでした。

彼は内心驚いたことと思いますが、意外にもすんなり引き下がりました。「ごめん」と謝り、「せめて手はつながせて」と言われたので応じ、手をつないで車に戻りました。