わかばの実践① 35年前から5歳児クラスは、年15回クッキングを実施

食育ということばが注目を集めるずっと以前の約35年前から大東わかば保育園では、ももぐみ(5歳児)の子どもたちは月に1回のペースで「クッキング」をおこなっています。

ある年の4月のクッキングでは、“お好み焼き”をつくりました。子どもたちは家から包丁やまな板、エプロン、三角巾を持参し、5つのグループに分かれます。それぞれのグループには先生が一人入り、担任は全体を見る役割で調理を進めます。包丁を使うのは初めての子がほとんどなので、グループ担当の先生は張りつめた気持ちで子どもたちの手もとをよく見て、キャベツやこんにゃく、ちくわ、ネギなどを切る様子を見守ります。

小麦粉、山芋、だし汁で生地をつくり、自分で切った材料と生地を混ぜ合わせ、一人一個ずつ生卵を自分で割り入れます。そのあと、子どもたちの目の前で先生が鉄板で豚肉を焼き、その上に生地を広げて焼き上がるのをみんなで見守ります。

クッキングは4月から始まり、3月の茶話会のサンドイッチで最後になります。7月のお泊まり保育と、2月のレストランごっこではグループごとにメニューが異なりますので、1年間を通じて約15種類のメニューをつくることになります。

クッキングを通して、子どもたちはたくさんのことを学びます。玉ねぎとじゃがいもでは、硬さが違うこと。そして食材やメニューによって、いろいろなかたちに切ること。調味料を入れる順番があることなど、楽しみながら多くのことを学んでいきます。

ももぐみの隣の部屋のりんごぐみ(4歳児)の子どもたちは、匂いをかいだり、メニューによっては味見をさせてもらったりして、ももぐみになったらクッキングをすることを楽しみにしています。また、園ではプランターにプチトマトやキュウリなどを栽培しています。その世話をももぐみの子どもにしてもらい、自分たちが育てた野菜をクッキングで使うこともあります。

これも、もしかしたら子どもたちにとって「食育」になっているといえるのかもしれません。