遥かな長い歳月が経ち、二代目の地球人の文明は高度なレベルに達していた。しかし、エゴの病は癒えることなくより一層蔓延していた。様々な生産物は製造に関わった者たちの間だけで分配され、彼らが独占していたので、大多数の人々は生産物を利用できない状態であった。

そして当然このような状態は平和な生活を脅かす、いさかいと賄賂や危険な技術競争という火に油を注いだ。

ある夜、地球は二度目の大惨事に見舞われることとなった。数人の物理学者が、宇宙のマイナスイオンを乗り物用の燃料に変換しようとしていた。

彼らはスペースシップに太陽エネルギーを利用している、ライバルたちを出し抜こうとしていた。そして彼らは実験中にミスを犯しそれが大気の状態に大きな不安定をもたらしてしまった。その結果、今まで赤道を軸に自転していた地球は、極を中心にして九十度回転し始めてしまった。

それは猛烈な暴風雨や吹雪、サイクロンを巻き起こし、その猛威は九百三十年間にわたり地球上を破壊し続けた。ベガ星人が地球のこの激変に気付き、プラスイオンで地球を包み込み、陽性な状態に戻すまで、その破滅的な状況が続いた。

その後ベガ星人は、嵐と巨大竜巻を引き起こすことで、地球の表面を覆いつくしていた海の水を吸い上げ、宇宙へはなった。地球の表面に生命体が生息できる環境になるまでそうした作業が続けられた。そして当然、猛烈な吹雪と嵐のために人間と動物は絶滅した。生き残っていたのは、災害に耐え抜くことができた植物だけだった。そうした植物は今でも深海に植わって生きている。

こうして太古の昔に地上の大部分が水浸しになってしまった。