【前回の記事を読む】病院とうまく付き合いながらがんと共存する方法

病院とうまく付き合いながらがんと共存する方法

がんの根本治療は体内環境の改善

では、がんの根本治療とは何でしょうか?

それは、「がんになりやすい体質」を「がんになりにくい体質」に変えることです。「がんになる」ということを氷山にたとえて考えてみましょう(図1)。

[図1]発がんのイメージ

水面に出ている腫瘍や症状は氷山の一角にすぎません。水面下には、がんになる原因となった長年の考え方や生活習慣などがあります。病気になるということは、必然的にそうなるだけの体内環境になっているのです。

3大治療で、水面に出ているがんの塊を一時的に消したとしても、水面下の状態が変わらなければやがて再発・転移することは目に見えています。「がんを治す」というのは、腫瘍の塊や症状を消すことではありません。体内環境を正常化させることです。

つまり、この氷山の見えない部分、すなわち生活習慣や生き方・考え方をセルフケアによって変えることで初めて、氷山の上にある「がん」が消えることになるのです。

したがって、世間一般のがん治療に対する考え方は(右下図)ですが、私の考える理想的なアプローチは(左下図)です(図2)。

[図2]がん治療に対する意識

しかし残念ながら、ライフスタイルを改善して「がんになりにくい体質」に変えていくにはある程度長い時間がかかります。がんがまだ早期の人の場合は、その時間的な猶予があります。しかし、ステージが進んでしまった場合、病院では手術はしてくれませんし、手段として抗がん剤しか残っていません。現実問題として、今ある腫瘍をそれ以上進展させずに体質改善を図らなければなりません。したがって、時間稼ぎのために抗がん剤を選択せざるを得ないという側面があります。