バリアフリーとUD

今は障害があるから我慢しなくちゃいけないなんて遠慮はしなくてもいいし、みんなと同じようにしたいと望む事は贅沢でも何でもないという時代です、法律的には。ただそのためには、ハードやソフトの工夫をしなければならないのですが、これがなかなか進みません。

公共の道路や建物は国民みんなが使えるようになっているのが当たり前なはずなのに、未だに私たちは、障害があるために使えないものがあると「仕方ないね」と簡単に諦めてしまいます。アリコさんは、バリアフリーとUDの違いを正しく理解したいと、私に質問をしました。

「UDは障害者のためやと思ってたのに、それはみんなのためや言うし、それじゃバリアフリーは何なん?」

ああやっぱり来たかと思い、説明する事にしました。私はまず彼女に、

「バリアフリーもUDも、障害がある人に優しくするだけじゃないって事を、わかっておいてね」

と言いました。

UDは優しくしなくても良いための工夫だというのが私の持論です。誰もが使えて当然の公共の施設ですら、バリアだらけで使えない人がいる建物がたくさんありますが、それを今すぐ作り直すのは大変です。

そこで世の中にはいろいろな人がいる、という事を考えずに設計してしまったものを、現在のバリアフリー基準に沿って修正するのがバリアフリーの考え方。そして、最初から様々な利用者を想定して設計をするのが、UDの考え方だと彼女に伝えました。