子どもが自分から動かないので、ついつい先回りしていろいろ世話を焼いてしまいます

今回は、「子どもが自分から動かないので、ついつい先回りしていろいろ世話を焼いてしまいます」と言う保護者のお悩みです。

保護者が自覚なく、必要以上に動いてしまっている場合も割とあるのではないかと思います。それもこれも、子どもを思う気持ちが強いから仕方がないのですが。

でも先回りし過ぎると、子どもにはあまり良い影響を与えないのではないかと思います。私は、保護者があまり世話を焼かないことにより、生きていく上で非常に大切な、自分で考えて行動する力(下記五つ)が育つと思っています。

一.主体性が育つ 人に頼らず自ら考え、問題を解決する力がつく

二.試行錯誤力、問題発見力、周囲に協力を求めるコミュニケーション力が育つ 失敗することにより、そこから成功につなげる力がつく

三.自主的に行動できる力、自己を管理する力が育つ 自発的な行動、自分で計画を立て管理する力がつく

四.創意工夫力、発想力が育つ お金やもの、情報があまりない中でも、他の方法での解決方法を見つける力がつく

五.責任力が育つ 自分で考え行動した結果に対して、自分で責任を持つ力がつく

子どもが自分から動き出すのを待つこと、試行錯誤して失敗を繰り返す場面を口出しせず見守ることは、大変な労力、忍耐力を要します。しかし、保護者が先走ってしまうことで、子どもに良い影響を与えない場合も多々あります。あまり干渉し過ぎて、子どものことを保護者が勝手に決めてしまうと、子どもの[責任を持って自分で考えて決め、行動する]機会が減ってしまいます。決断力、行動力が育たないと、いざ社会に出たとき困ってしまうかもしれません。

全ての困難や失敗から遠ざけて親が守ってしまうと、子どもはその時には傷つかずに無難にやり過ごせますが、実は子どもが成長するチャンスや、失敗を経てそれを成功につなげる機会を奪ってしまいます。失敗に対する免疫がないと、失敗したときに立ち直れなかったり、そんな自分を受け入れられず、自分が嫌い=自己肯定感が低くなったりしてまいます。ぐっと我慢して、子どもへの干渉は極力控えてみましょう。

そして、保護者は子どものことで一喜一憂するのではなく、先ずは自分の人生を楽しんでみませんか? そんな楽しそうな保護者の姿を子どもは意外としっかり見ています。

その結果、不登校の子どもが保護者の楽しそうな姿に元気づけられて、明るく前向きになっていくのを私はこれまでたくさん見てきました。