「死神湖との決着をつけようというのは分かるのですが、いったい誰の何に対する復讐の代行なのですか」

「そうだな、言わばフジオカの過去からの依頼、ということになるかな」

「⁉」

お嬢様はやはり私の過去のことを……と言おうとした時、フジオカの目の前を見覚えのある顔の男が横切った。

「あ、あれは。郭分列の部下の袁横縞じゃないのか」

フジオカはすぐ後を追う。

「フジオカ、危険だぞ。深追いするなよ」

須戸麗花がメッセージを送る。

港町の倉庫の方まで袁を追うと、袁は倉庫の中に消えていく。
袁の消えた倉庫に慎重に入って行ってみると、やけに狭い、窓一つない薄暗い空間だった。

「これは……」

その時、轟音とともに入口の扉が閉鎖され、すぐに扉の方の壁の周りから、金属を溶接する時の音と匂いが発せられる。
「しまった。罠か!」

フジオカは入口の扉の方の壁に体当たりをしたが、びくともせず、逆にフジオカの体がいかれそうになる。

「特殊合金か……」

続く

※本記事は、2021年3月刊行の書籍『怨み・ハラスメント』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。