特に苦手なのは「数値化しにくいもの」と「見えないもの」です。

例えば、「なんだか憂鬱で気持ちが落ち込んできちゃった」といった場合、どれだけ落ち込んでいるかは数値化しにくいものです。

一方、中医学は数千年もの長い間、「生きている人間」を見続けてきました。

大昔は現代のような検査機器はありませんので、簡単な解剖学の知識をもとに、「こうなっているのではないか?」と仮説を立て、トライアンドエラーを繰り返して治療方法を確立してきました。

その中で、一つの考えの下ではどうしても治療しきれない場合には、全く違う角度からアプローチしていきました。そうして、いくつかの生体に対する理論と治療法が構築され、現代に残っているのです。

例えば、カゼなどの感染症にはこの考え方が得意、心臓や胃腸のトラブルにはこの考え方が得意、というふうに、弱い部分を補ってきたのです。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『かゆみの処方箋』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。