三章「ロマンシング・デイ」当日、彼らは帰ってくる

「これは作りかけのテラスだ。壊れてなんかないさ」

説明をしたが、トラヴィスは全く聞いていない。

「しかも隣の家が大きいからリビングから空を見ることもできない最悪な立地だな。それに隣の家のカーテンが全開じゃないか、隣の住人はまともじゃないな」

「いいんだ。あれは……」

俺が説明しようとした時

「そんな話はどうでもいいんだ、さっきまでしていた話をしようじゃないか」

トラヴィスは次から次へと難癖をつけてくる。完全にトラヴィスのペースだ。

「さっきの話っていうのは、教師の立場を利用して生徒に当たっていることか」

俺は即座に仕かける。

「何をいっているのかさっぱりわからないね」

トラヴィスは自分にとって不都合なことは白を切る。

トラヴィスは「マリッサとエマが来るまでドランの話をしていただろ。話がよく脱線するから全く話を聞くことができないだろ」という。

よく話を脱線するのは盛り上がっている証拠でもあるから悪くはないはずだ。こうやってのびのび話をすることも悪くはないだろう。少し前まで戦場にいたことが信じられない光景だ。あっちが非日常的であるのに。

「私たちが来る前にもうドランの話題になったの?」

マリッサの疑問に対してヘラは事情を説明した。

トラヴィスは「久しぶりに集まると、当然それぞれの近況報告を聞きたくなるものだ。そのなかでも一番の目玉はドランの近況についてだから仕方ないだろ」と一番に到着したためこんなにも偉そうな態度を取るのだ。最初に到着してはいけない人物だった。