第二章 その答え

~初めての出会い~

ある日、隣の子から、凛君と仲良くしない方が良いよ、と言われた、まひるは、何故なのかを聴くと、

「凛君は韓国の人でしょう。家のママと、パパが言ってたもの。昔は朝鮮人と言われてたみたいだよ」

まひるは、

「でも、お母さんは、日本人だよ! 何が悪いの?」

と、逆に言い返してしまった。

その日あたりから、凛の周りにはクラスメートがいなくなっていった。まひるは由美子にその話をした。自分でも納得出来なかったからだった。子供とは、親の話が正しいと思い、残酷な態度に出るものだった。まひるは、そんな事を気にもとめず、凛と学校の登下校を続けていた。

凛はまひるに、家が隣同士でも無理しなくても良いよ、と話し始めた。まひるは、当然無理などしていなかったし、自分の世界を持っていた。凛は勉強がかなり出来る子だったので、毎日のようにまひるは勉強を教えてもらい2人で遊ぶ事も毎日の日課になっていた。しかし、遠足のグループ分けの時、まひると凛だけだった。まひるは、子供ながらにこんな事おかしいと思い、由美子に相談した。

由美子も耳には入っていて知っていたので、由美子はまひるに、明日学校へ行って先生と話してみるから心配しないで、と伝えた。

翌日、朝から道徳の授業だった。先生が世界地図を黒板に広げた。世の中には沢山の国々があり、その国には沢山の子供達が仲良く遊んでいるという話から始まった。まひるには世界が広がった気がした。隣の席には凛がいる。不思議と胸が晴れやかな気分になり、楽しく思えた。知らず知らず、由美子も凛の母親と仲良くなり、まひると凛は、真っ黒になるまで遊び秘密基地で勉強もした。

~悲しい事故~

ある晴れた日、まひると凛の家族はそれぞれ持ち寄りバーベキューをしていた。まひるは、由美子の見真似で料理を作り凛に食べてもらおうと思った。

ガスの元栓を開き途中まで、スイッチを回した時外から凛の呼ぶ声が聞こえた、まひるはそのまま外に出て行き凛と遊んでガスの事も忘れてしまった。くわえタバコをしたまま、まひるの父がドアを開けた瞬間、大きな音と地響きと共に火が上がった。凛は思わず、敷物を子供用プールの水に浸けまひるに被せ凛はまひるに、覆いかぶさる形になっていた。

凛は必死で暴れるまひるを押さえ

「僕が守るから、まひる」

と何度も叫んでいた。凛は遠のいていく意識と闘い、まひるを押さえ続けていた。