ミノル:18世紀から19世紀にかけてイギリスで起こった産業革命により、エネルギーの変革、技術革新、鉄道や蒸気船などの交通革命などを生み、資本主義社会が確立していったのじゃ。その間に株式会社(企業)は発展を続け、株価も上昇したといわれているんじゃ

クミ:産業革命によって資本家と労働者という関係ができ上がったんだね

ミノル:では株価はどうして上昇したのか? どうすれば株価は上昇するのか? わかるかい? その理由を理解して、今後の投資にそれを活かせば株価の成長が期待できる投資をできると思わんかい?

クミ:株が下がって損したっていうのもよく聞くけど、株は上がったり下がったりしているんじゃないの?

ミノル:確かにそうじゃ。株は需要と供給の関係で毎日上下するんじゃが、ワシが言っている“株はなぜ上がるか?”というのは短期的な意味ではないのじゃ。米国のNYダウは過去40年間で30倍ほど値上がりし、年平均では9.0%上昇といえるのじゃ

クミ:NYダウというのは何?

ミノル:アメリカの上場企業30銘柄で構成されていて、時代に合わせて入れ替えるんだ。ワシはその最大の要因は、生産性の向上にあるのではないかと考えておる。すなわち、生産性が向上すると企業の収益が増大し、利益が増えると株主への配当が増える。そうすると人々や企業はその企業の株を買う、だから株価が上がる、というふうになるのではないかと考えておる。さらに産業革命が進むに従い、新しい技術が生まれイノベーションによって新しい商品やサービスが生まれ企業はさらに成長し、利益を上げることで株価が上昇することになるんじゃ

クミ:ところで日本の株の歴史はどうなの?

ミノル:日本ではね、17世紀末大阪でお米の商人たちが先物取引を始めたのが日本の証券取引の始まりといわれておるんじゃ

マサノブ:その頃から株とか国債などもあったの?

ミノル:それはね、1870年に明治政府がロンドンで国債を発行したのが、初めなんだよ

マサノブ:ふ〜ん

ミノル:その後第二次世界大戦後1945年にGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が財閥解体令を出して株式市場近代化が前進するのだよ

マサノブ:さらに1947年にはアメリカの証券取引法をモデルに証券取引法が制定され、それで日本の近代的環境が整うんだね

ミノル:その通りだよ。日本の場合は、太平洋戦争が終わった後、1950年代から1990年代までは需要の拡大による大量生産により生産性が急速に向上し、企業も大きく成長し株価も上昇したんじゃ