ピクトグラムや車いす駐車場について

これご存知? と私はいくつかのピクトグラムをアリコさんに見せました。ピクトグラムというのは、絵文字やサインの事です。1964年のオリンピックで、世界から来る人たちのために日本のデザイナーが家紋にヒントを得て作ったと言われています。私はピクトグラムを、大きく2種類に分けて説明するようにしています。

1つは、設備系ピクト。オリンピックで使われたように、建物や設備に取り付けて、中の設備が障害者にも使いやすい事を説明する使い方です(車いすマーク、補助犬マーク等)。2つ目は、当事者系ピクト。自分が何者であるかを説明する使い方です。道路交通法で規定されるマークや妊婦マーク等です。

この道路交通法で決められた「若葉マーク」「高齢者マーク」「蝶々マーク」「四つ葉マーク」のいずれかを貼った車両に対しては、周辺を運転する車は幅寄せなどをしてはいけないという配慮義務があります。特に蝶々マークは、クラクションが聞こえづらい聴覚障害者が運転している事を示すので、みんながこのマークの意味合いを知っておく必要があるとアリコさんに伝えると、

「これ何やったっけって言うてたらあかんね」

と言いました。そこでこれらの4つとは別の、視覚障害者の安全に考慮した建物や設備に取り付ける「盲人のための国際シンボルマーク」をアリコさんにお見せしたところ、

「見た事無いような気がする」

と言われて思わず私は絶句……あっちこっちにあるじゃ~んと叫びたくなるのを我慢して、ピヨピヨとかカッコーと鳴く横断歩道の音声信号にはこのマークがついているので、今度見てねと伝えました。一般人代表のアリコさんがこうならば、知らない人はきっと多いのでしょう。