判官の巨大な一物は、膣内で、これでもか、と絡みついてくる何百もの妖怪の攻撃をものともせず蜜壺を、我が物顔に蹂躙(じゅうりん)している。

「ヒイッ……」

女は悲鳴に似た声を張り上げた。そんな判官の一物を喰らっては、どんなに貞淑そうな女御でも、たちまち我を忘れて、己の誇りなど、どこかに吹き飛ばされてしまう。

膨張しきった男根が自分の背後から、潤みきった女陰に突き通されたと感じたそのとたん、鋭い快楽が頭の芯まで伝わったのであろう、男の腰上に乗って左右に割れた乳色の艶っぽい女の太腿がブルブルと痙けいれん攣し始めた。男がそんな態位のまま緩やかに、嵌はめたり、外したりの反復運動をするたび、女は白いうなじを浮きあがらせ、辺りかまわず泣き叫ぶ。

「あ~んっ、あ~あん、旦那様あ~、そんなこ~と……されましたら~」

双臀の溝をくすぐる様に、男の巨大な一物は抽出を繰り返し、そのたびにズキン、ズキンと官能の芯にくさびが打ち込まれ、その異様な快感に女の全身はたちまち火柱のように燃えさかってしまった。男は女の乳房を両の手で揉みしだきながら、上半身をそり返して荒々しく喘ぐ女の浮き上がった首筋、そして上気した頬に激しく唇の嵐を注ぎつづける。

ああっ、ああっ、と汗ばんだ顔を左右に揺さぶりながら、なおも情欲の昂ぶりを訴える女は、恍惚の表情を見せながら、いつしか男の動きにあわせて自分の腰部を浮かせたり落としたりする。そして、ますます気分が高揚してくると女は、

「ああ、死にそうよっ、死にそう……もうお許しを、お許しを~」

と、歓喜の善がり声を張り上げ、重量感のある臀部を男の膝の上でガクン、ガクンと激しく揺さぶり続けた。判官の一物がいくら大きいといっても、女が断末魔の悦びに狂乱して腰部を悶えさせれば、すっぽりと抜け落ちそうになるのがこの態位の欠点だ。すると女は激しく首を左右に振って

「いやよ、いやよ、もう気をやりかけておりまするのに~」

と喚わめきたてた。目の前に、そんな風景を見せつけられれば、さすがの政子も思わず生唾を飲みこんで躰の芯までが火照りだした。もはや狂った陰獣と化した牡と雌は、そんな快楽絵図を臆おくめん面もなくその姿勢のまゝ、クルリと政子の正面に晒した。

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