(3)大学に関する改革

小中学校や高校と比べると大学の改革というとコンセプトは絞られていて分かりやすい。

大学はおのずと学習、研究する目的があってそこに学生が集まってくるので、あと問題になるのはそこをどう充実させていくのか、どう世界のトップの人材を育成していくのかということになる。

優秀な人材を育成するのは未来への投資であるから、日本の国としても本腰を入れて取り組んでいかねばならないことである。しかし今までの教育の現場を見ていると国は努力を怠ってきた。

1980年代から30年間行ってきたゆとり教育と称する方針に沿った教育は明らかに国力を落としてきた。学力の低下が指摘をされはじめたのは1978(昭和53)年に生まれた子供たちが大学に入学した1997(平成9)年といわれる。

ゆとり教育を受けてきた世代である。分かりやすく勉強時間を見てみる。例えば高校2年生(普通科)のデータであるが、家で全然勉強しない子供たちの割合が、1990(平成2)年が16.8%、1996年(平成8)年が24.1%ということである(Benesse教育研究開発センター「第4回学習基本調査」より抜粋)。一つの例ではあるが、家で全く勉強しないという高校2年生がわずか6年間に7.3%も増加している。これでは学力の低下を招くのはあたり前のことであろう。

以上のように子供たちの学力を低下させてきたのは否定し得ない事実であり、優秀な人材を育成するのに困難な状況を作ってきた。国もそのことにようやく気づいて方針を転換したが、30年間に学んできた若者たちの学力は取り返しようもない。今後それらをどのようにリカバーしていくのか、国はよっぽど力を入れて取り組む必要があるだろう。

日本という国はよく国策をミスするが、ゆとり教育ということも明らかに大きなミスであって、国民に謝罪をせねばならないだろう。

大学に関する改革については、教育や研究の内容というよりはどのように充実した教育や研究を可能にしていくのか、そしてそれを維持していくのかということになるだろう。