生きていく意味

「どうして、生きているんだろう」

そう考えてばかりだった。

突然の別れから三年くらいは、私の頭の中はいつも、この言葉でいっぱいだった。きっと、すぐに自分も死んで、パパのところへ逝くんだろうなと勝手に思っていた。まだ一人前とはいえない二人の息子がいるのに、パパが寂しくて、私のことを呼ぶんだろうなと想像して過ごしていた。

自分がいなくなった時に困らないように色んなものを直したり片づけたりバタバタとやっていた。そんな中で一緒に暮らす将太に「もしもママが死んだら」なんて話をしてタイミングが悪かったせいでゲロゲロ吐かれた、という、後で書く話につながる。

「どんな時でも、生きる努力をして欲しい」と将太に言われ「簡単に死ねないなあ~」と思った。でも、それでも「なんで生きてるのか、私は……」と考えずにはいられなかった。

ある時、見た映画が私を変える。

「あなたの中で生きる私にこれからの世界を見せてください」「そして幸せになってください」

画面からこの言葉が飛び出してくる。何回も何回もその言葉だけがリフレインする。涙があふれて止まらない。そのことをきっかけに、ドラマ、映画、歌の中の、特定の言葉が文字になって目の前に浮き出てくる。「パパが言っているんだ」と気付く。何だかすごく納得できた。

息子たちの成長、私の身に起きること、見たこと、感じたこと、私を通してパパも見て感じてくれているんだ。私が生きている意味があったじゃないかと。

もう四年が過ぎようとしていた。心が張り裂けそうに苦しい時、パパも苦しいんだろうな。楽しくて笑っている時、パパも楽しいんだろうな。自分の感情がパパと連動しているのでは、と考えるようになっていった。単なる思い込みかもしれないが「どうして、生きているんだろうか」という自問自答から解放されたようだった。

苦しいことがなくなったわけではないが、家族、友人、そして時間が私の気持ちを癒してくれた。本当に感謝しています。たくさんの時間を共に過ごして私の気持ちに寄り添ってくれた、今も寄り添い続けていてくれる、すべての方々に「ありがとう」を言いたいと思います。

葉を皆に降らせたい気分です。