7校目 西部地区の専門高校

平成21年4月、任用審査もパスし、晴れて校長に昇任することとなった。校長になって最初に感じたのは、校長会というものが、“加齢臭の集団”であるということだった。

月1回招集される校長連絡会で、一堂に会した際に漂う独特な“校長会の臭い”。今となっては、同化して違和感がなくなってしまったが……。

以来、校長として、3校9年間、異なるタイプの学校を経験することとなった。さて、7校目となる学校は、西部地区の専門高校であった。

ここでは、創立70周年記念と全日制閉課程のダブル式典の対応が待ち構えていた。そして、東日本大震災もこの学校で経験することとなった。

いよいよ校長に⑴ ~モーニングコートと印鑑~

校長になるにあたって、モーニングコートなるものを生まれて初めて購入した。入学式、卒業式等の式典用のためである。また印鑑も何本も用意した。

公費会計用、私費会計用、指導要録用、一般事務決済用などである。また他校への異動ともなるとその都度必要となってくる。印鑑は縁起物でもあるので、その筋の確かなものをと思い、山梨県の有名な某印鑑製造販売所で購入することにした。

いつもは出不精の妻も、なぜかその時は山梨まで付いて来てくれた。またモーニングを購入する時も一緒に付いて来てくれ、色々とアドバイスをくれた。

今になってみると、あの時、妻はどんな気持ちでいたのかと思いを馳せるこの頃である。ちなみに、モーニング姿を写真館で撮ろうと言い出したのも他ならぬ妻であった。

蛇足ではあるが、購入したモーニングは、礼服としてそれなりの値の張ったものであったが、校長職9年間で全日制、定時制の併置校を経験したため、入学式、卒業式をはじめ、開校記念式典、閉課程記念式典なども含めると40回ほど着用する機会があり、十分に元は取れたと思う。

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