スキー場でインストラクターに指導を受けていた時に教えられたのだが、黒っぽいスキーウエアの上にこの雪が付いた時よく見ると肉眼で雪の結晶を見ることが出来た。それほど気温が低く乾燥度が高いのだ。

このサラサラのパウダースノーが積もった(かん)斜面(しゃめん)を滑っていると抵抗が極端に少ない為、雪の上に浮かんでいるような心地好さを覚える。一方、良いことばかりではない。この豪雪地帯で200万人の人が快適に暮らす為にはさまざまな工夫とコストが必要だ。年間の除雪費用は200億円以上もかかるし、札幌市中心街の表通りの歩道下にはロードヒーティングが設置され、電熱線で冬場の歩道路面凍結を防いでいる。

大がかりなインフラとしてはJR札幌駅から南に延びる地下遊歩道は大通駅を通りさらにすすきの駅まで地下鉄の2駅分の距離約1900mを繋いでいる。直線の地下道としては日本で最長とのことだが、冬場は降雪の影響を受けない為、殆どの人がここを通っており、しょっちゅう知人に会う。

また札幌市営地下鉄南北線の南端の区間、具体的には平岸―真駒内間は、電車は地上に出て走行するが屋根の付いた筒(シェルター)の中を走り続ける。これは札幌の地下鉄がゴム製のタイヤで走行する特徴を持っているので、降雪時のタイヤのスリップリスクに対応する為のインフラ(騒音防止にもなっている)。

最初にこの区間に乗車した時、平岸で地上に出ていつ完全に屋根がなくなるのかと思っていたらそのまま4駅区間走り続け終点の真駒内駅に着いてしまい驚いた。その他有名なものとしては土台部分をレール上に移動させ人工芝と天然芝を使い分けることにより野球、サッカー両方のスタジアムとして利用出来る札幌ドーム、等々……。

これらのインフラ関連コストを上回る付加価値を生み出していかなければ都市間競争に負けてしまうのだが……、本州にはないさまざまな産業資源を道産子の知恵でうまく生かしていけば、今よりさらに進化したユニークな街造りがきっと出来る

 

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