ヘビもカエルもネコも、つぎつぎにどうぶつたちは、ネネちゃんのやいたクリのケーキと、おひさまのようなえがおで、ぷんぷん虫もどこかへとんでいってしまいました。

そしてさいごは、キリンの家です。ムックの声が小さいといったキリンの家です。ムックは、急に胸がどきどきしてきました。

チャイムをならすと、キリンがビルのように高い窓から首を出して、小さなふたりを見おろしました。

「こんにちは」

ムックの声はあいかわらず小さいままでした。すると、ネネちゃんがいいました。

「キリンさーん、ケーキをつくってきたの。おすそわけでーす」

ネネちゃんは、キリンの顔まで声がとどくように、なんどもなんどもとびあがりながらさけびました。

そんないっしょうけんめいなネネちゃんを見たキリンのぱっちりとした目が、ほそながくのびました。そして、頭をネネちゃんとムックのそばまでおろしてくれました。

「いつもありがとね。おや、ムック。この前はすまなかったな。ちょっといらいらしてしまってね。わしも歳をとって、耳も遠くなってしまっておるんじゃ。ゆるしておくれ」

そういうとキリンは、にっこりほほえみました。そして、ケーキをうけとると、キリンはもういちど、「ありがとう」とお礼をいい、パタンと窓をしめました。

あたりは急に静かになりました。

どれくらい、ふたりはドアの前にいたのでしょう。そのうち、ふたりはだまって歩き出しました。そして、キリンの家から少しはなれたところまできたとき、ふたりは声をそろえていいました。

せーの!

「えがおのリレーだいさくせん、だいせいこう!」

ふたりは、手をつないでおどりだしました。スキップをしながらかえりました。かえり道、森中のあちこちから、たのしそうな笑い声が聞こえてくるのでした。

「ケーキ、ひとつあまっちゃったね」

ムックのことばにネネちゃんが、

「はんぶんこして食べましょ」

「うん!」

小さなケーキは、さらに小さくなったけれど、ふたりの心はおなかいっぱい、幸せいっぱいでした。

絵本の中です。

ハリネズミのココ「ほら、上を見て。またあのドラゴン、空をとんでるわ」

フクロウ「だいじょうぶじゃ。ほら、わしのウロの中でかくれておれ」

ハチ「あのドラゴン、またわたしたちの大切な花をもやしたのよ」

チョウ「はやく安心して、おいしいミツをすいたいわ」

カタツムリ「……」

みんなとっても困っているようです。だれか、みきに教えてあげられる人がいればよいのですが。しかし、それはまだまだ先のはなし。

【前回の記事を読む】【童話】森には、だれも笑う人がいなくなってしまいました。