二年生に進学する頃、周りの友人が携帯電話を持ち始めた。女の子とメールや電話ができる最新のアイテムに心がときめいた。それが欲しくてたまらなく欲しくて、コンビニでアルバイトを始め、念願の携帯電話を手に入れた、と同時に彼女が欲しくなった。

鏡に写る太い我が姿を見て、これじゃ彼女なんてできる訳がない! とダイエットを決意。走った。毎日走った。大好きなお菓子も止めてメロスのようにひたすら走った。その甲斐あって一年間で二〇kgの減量に成功。見た目がかなり変わり、身体は細く顔は小さく、そして周囲の見る目が変わることで調子に乗って態度が大きくなった。そして人生初の彼女ができた。

高校三年生、そろそろ進学か就職かを決める時期。将来の夢ややりたいことが皆無だった僕は「まだ就職なんてしたくない、遊んでいたい」という理由から進学を決めた。つくづく自分の心に正直なやつだ。

専門学校へ進学。周りの友達も行くからという理由で地元の工業系の専門学校を選んだ。これまたどこかで聞いたセリフ、自分の心に正直な反面、簡単に流されるのもまた事実。専門学校では友達の誘いでブレイクダンスに熱中することになる。

当時テレビで放送していたDA PUMPがMCのダンス番組「少年チャンプル」を見て「すげー! 俺もやりたい!!」とときめいた。休み時間にダンス、深夜に体育館に忍び込んで朝までダンス、翌日は眠いから授業中に睡眠を取ってまたダンス。何をしに学校へ通っているのか。ダンスの専門学校に通えば良かったのではないかと今思う。