第二章 財政再建シミュレーションの検証

シミュレーション1・2 現行の社会保障制度のまま消費税のみ増税する案

最初にも述べましたが、日本の財政を悪化させている最大の原因は、少子高齢化によって増え続ける社会保障費です。現在、政権を担っている自民党や財務省は、この社会保障制度に対して制度自体を何とか維持しながら、消費税の増税や社会保障費の削減などにより財政の均衡を図ろうとしています。

本書の第二章の目的もそこで、日本の財政を立て直すためには、現行の社会保障制度に多少手を加えるだけで済むのか、それとも制度自体を維持する事はもはや不可能なのか、それとも全くいじらなくてもやっていけるだけの別の方法があるのかを、この章では詳しく検証したいと思っています。

そこでここでは、まず最初にシミュレーション1と2で、現行の社会保障制度には全く手を加えず、単純に消費税の増税のみで、財政再建を果たす事ができるのかどうかを検証してみました。

写真を拡大 13.シミュレーション1 消費税を段階的に20%に増税した場合①
13.シミュレーション1 消費税を段階的に20%に増税した場合②

現在、年金暮らしをされていらっしゃる方が、今一番関心があるのは、今後、自分達の年金がどれだけ削られてしまうのかどうか、大変関心があるだろうと思ったからです。果たして、消費税を単純に上げただけで日本の財政は再建ができるのか、できるとするならば、今後消費税はどのくらいまで引き上げざるを得ないのかを、ここでは詳しく検証したいと思っています。

まずシミュレーション1では、二〇二五年から五年ごとに消費税を段階的に増額していき、二〇四〇年までに税率を20%にまで引き上げてみました。

すると二〇四〇年の日本のGDPの予想値は、少子高齢化の進行と消費税の税負担によって約四百七十八兆円まで落ち込んでいるのに対し、公債の債務残高は国、地方合わせて千六百三十九兆円にまで拡大する事になってしまいました。GDP比に対しても342・9%にまで悪化してしまい、これでは全く話になりません。それでは、仮に消費税を二〇二五年から一挙に30%にまで増額した場合はどうでしょう?