【前回の記事を読む】三角関数のモヤモヤ解消?連立微分方程式を用いて証明!

第3章 論理図解を使う弧度法の新定義

これまでの数学や物理学で、弧度法と三角関数との関連は重要視されてきませんでした。このため、物理学においては目を疑うような解説を見ることになりました。この章では、数学や物理学の共通事項となる弧度法を論理図解を使って新たに定義します。

1 等速円運動の動点の射影は単振動する

2 弧度法の考察

3 弧と中心角との関係

4 円弧の長さ

5 弧度法の新定義

・円と三角関数

単位円上の点A(1,0)から円周に沿って反時計回りにθ移動した動点の座標はP(cosθ,sinθ)です。三角関数の基本事項が曖昧なままにされてきたのは、証明できなったからと考えます。

・弧度法の単位を[rad]とする

動点P(cosθ,sinθ)は特定できますから、∠AOPを示すのにθを使えます。そこで∠AOP=θ[rad]と定義できます。これが弧度法の基本と考えます。

・過去から続く記載漏れの数々

この2つの解説図に共通しているのは、弧APがθとなる解説を記載していません。θ[rad]とθの2つが同時に図示されているのを見たことはありません。おかしいと思い、モヤモヤした気分になりました。

著名な方の著作中の解説なので気が付きませんでしたが、これも理系の壁となっていました。

第1節 等速円運動の動点の射影は単振動する

卒業した高等学校の記念誌に、「三角関数に関する解説」を載せてもらいました。

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50年後に解けた三角関数の課題

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等速円運動の動点の射影は単振動する」が高校生の頃の出発点です。解決するのに約50年を費やしました。まず数学での証明です。 

次に物理学で考察します。

ωは角回転数(単位が[1/s])であり角速度(単位が[rad/s])ではありません。角回転数ωは回転数f[1/s]の2π倍でω=2πf です。角速度の単位を[rad/s]として別な文字、例えばΩとしておけば防げたミスです。

間違った論理が世界中で展開されたのです。さらに、点(rcosωt,rsinωt)の射影点となる(rcosωt,0)や(0,rsinωt)は単振動の点であることは明らかです。

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上の2つの図は、この本の解説のため補充しました。