生き抜くために生きること、何か目的を達成するために生きること、それは全然違う人生である。どちらが充実した生き方なのか、立ち止まって考えても状況は変わらない。 時代が悪いのか、他力本願な生き方が悪いのか、それともそこまでしか頑張れない自分が悪いのか。もはや答えはどれでも良い。ここにあるのは、捨てられても燃えている生命だ。 夢を追い掛け、恋に溺れ、時代に翻弄されながらも、非日常な出来事に背中を押されて生きようとする人々――。 暗闇のなかで芽生える希望を描く、珠玉の短編集。