男舞を専門とする白拍子で、類まれなる才能から法皇にまで愛された若き女性、静。 不遇な身の上に生まれ、まだ見ぬ兄・頼朝へ募らせた思慕と純真な心を持ちながらも、その運命に翻弄された、歴史上悲運の名将と呼ばれる義経。 二人は互いに惹かれ合い、運命を共にする。 戦乱の絶えぬ源平の最後の最後までひたむきに義経を支え、傍を離れなかった静の激動の一生を纏めた作品。