梅雨が明けた頃、将軍方の足軽衆が勝軍地蔵山城付近で烽火を上げたので、三好勢は、儂と甚介と三好長逸が一万五千の軍勢で北白川辺りを打ち廻り、将軍方を牽制した。「此度は数にものを言わせて打ち廻っただけで奴らは鳴りを潜めたが、次はどう出てくることやら」長逸が「やれやれ」と言葉を漏らした。「敵はたいした数ではないゆえ、大掛かりな戦(いくさ)にはならぬであろう」甚介は楽観視しているようだ。「今日のように、勝…
[連載]松永久秀~天下兵乱記~
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第20回】児玉 望
少数の敵軍に思わぬ苦戦。打倒・将軍のため巡らせた策は…
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第19回】児玉 望
闇夜に乗じた不意の敵襲。総力を挙げた赤井一族の猛攻に苦戦
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第18回】児玉 望
長慶への感謝の気持ち。月夜の連歌会「瀧山千句」
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第17回】児玉 望
武器なしで将軍に勝った儂にとって誠に「愉快痛快な一件」とは
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第16回】児玉 望
戦に勝利した長慶勢にもたらされた「とある事件」の知らせ
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第15回】児玉 望
「時、至れり」四面楚歌の長慶勢、会心の一戦が幕を開ける
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第14回】児玉 望
敵を恐怖のどん底へ…同盟者の敵討ちを命じた長慶の怒り
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第13回】児玉 望
「何事か」連歌の会で突然の悲鳴、長慶の左袖から血が滴る…
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第12回】児玉 望
長慶政権の入京…「民草が安寧に暮らせる世に一歩近づいた」
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第11回】児玉 望
城が次々と落とされた…戦国の世、火花散らす男たちの生き様
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第10回】児玉 望
家督争いに主導権争い…天下の諸勢力を巻き込む「騒乱の嵐」
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第9回】児玉 望
河内高屋勢との戦に勝利するも…和睦についた一点の〈いわく〉
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第8回】児玉 望
【小説】戦死者2千人…舎利寺での激戦を大差で制した長慶勢
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第7回】児玉 望
勢いづく細川晴元勢。氏綱勢との戦を控え、軍議は開かれた
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第6回】児玉 望
【歴史小説】「その時は又四郎、存分に暴れまくれ」
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第5回】児玉 望
【小説】民草が安寧に暮らせる世へ…三好4兄弟の集結
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第4回】児玉 望
【小説】「戦のない世を創るためなら…」民を想う青年の決意
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第3回】児玉 望
【小説】乱世でも平和な「五百万の郷」その秘密は統治者にアリ
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【第2回】児玉 望
【歴史】大軍を率いて摂津国に攻込む…先導者は、12歳の少年
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小説『松永久秀~天下兵乱記~』【新連載】児玉 望
【時代小説】「応仁の乱」家督相続の争いが、戦国の世を生んだ
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