8 追いついた&支援1人でも友人いれば素晴らしい。

俺は学校生活を何があっても笑ってごまかす事で自分を守り、クラスメートと最低限の繋がりを保っていた。だが優人はクラスメートとの繋がりを一切拒否していた。さっきも書いたがクラスでの俺と優人はお互いにお互いしかいなかった。クラスでの班分け、昼食時や移動時、常にお互いか1人状態。小中時代に優人とクラスが分かれたときは本当に地獄の中の地獄だった。

ただ、お互いが唯一の友人だったが、優人の方から俺に話しかけてきたり近づいてくる事は少なかった。中学時代の俺はよくパシリもさせられたし、CDやDVD、ゲームを借りるといった名目で奪われる事もしょっちゅうだった。

だが優人は俺と同様に暴力を受けたりしていたけど、絶対にパシリなんかはしなかったし、他人に物を貸したりなんかしなかった。私物を壊されたり、隠されたりしても決して他人に屈したりはしなかった。

優人も何度かドッキリ告白された事がある。優人の場合は呼び出されても約束の場所に行きもしない。しびれを切らして近寄ってきたヤンキー美人を「貴女に好意を持っておりませんし、これからも持つ事はありません」とクラス全員の前でやんごとなく言ってみせた。

俺はこのとき生まれて初めて女の子が男をグーで殴る場面を見た。その結果女の子の本彼やその取り巻きに裸の写メを撮られてばらまかれたり、ヤギやミミズでもないのに草や土を食わされたりした。

それでも優人は親や教師にチクる事もせず、普通に学校生活を送っていた。何をしても何の反応もなく、何を考えているのかわからない優人は次第に周りから話しかけられる事もなくなっていった。当時の優人が俺に言った事『お前は弱いからいじめられる。俺は強いから怖がられる』と中二病エッセンスたっぷりで言われた。