探検

その週末、はるなは皆を先導して歩かなければならないという責任感から、遠目にも目立ちやすい服装で行くことにした。オレンジ色の長袖のTシャツにジーンズ、上から黄緑の蛍光色のジャンパーを羽織り、黄色のクロッシェのゴム紐を顎にしっかりとかけ、蛍光色のリボンがアレンジされたスニーカーを履いた。これなら少しはぐれても、すぐに目に付くので、迷子になることはない。皆が自分を見失うことはないはずだ。

洞窟の中は暗かったので、灯りを持って行く必要がある。テニスボールぐらいの小さくて軽い発光ダイオードのカンテラを父に借りてポケットに忍ばせた。途中、みやを誘った。白地にキャラクターがプリントされたTシャツの上から淡いピンクのブルゾンを着ている。ジーンズの足元はキャラクターの描かれたスニーカーだ。白のチロリアンハットに赤の鳥の羽があしらわれている。

「山では黒っぽい服装だと蜂に襲われると聞いたことがあるから、上半身は薄色の物にした。あと、山ではマダニや毒蛇に襲われないように長袖、長ズボンがよいとママが言っていた」

みやの話を聞いて、「そういう風には考えていなかったけれど、自分の服装も結果オーライだ」とはるなは言った。猫神さんに行く途中、ゲンタ達男子三人に鉢合わせした。ゲンタが、「べらんめえとニャーニャーが一緒におるぞ」と言うと、ゲンタの子分のようなショウが、「静岡弁がうみゃーでニャーの」とからかい、リュウトと三人がひゃーひゃーと笑いながら猫神さんまでついてきた。

※本記事は、2021年10月刊行の書籍『朱の洞窟』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。