第1章  令和の今、行政改革最高のチャンス

遷都か少なくとも分都を

先日、三重県志摩市で私が立ち上げたNPOの現地交流会が開催された。世話人は若手のホープ志摩市民病院長の江角悠太先生である。

「街に恋しよう。50年後も輝き続ける街に」と国連の開発目標であるSDGsに東海地方で豊田市とともに僅か2か所認められた街を是非発展させたいとの心意気である。

竹内市長を始め観光協会長、漁師や農家、運送業、冷凍業者、中学高校大学の長や教頭、医師、介護施設長、医学生、高校生、一般市民などが街おこしを考える会である。

私の隣に未来の大人応援プロジェクト(SBP)代表の岸川氏という方が座られた。挨拶と名刺交換ですぐに解った。NHK特集で取り上げられた三重県相可(おうか)高校の高校レストラン「まごの店」の仕掛け人である。

定員割れで存続すら危ぶまれた高校を地産地消の食材購入、調理、接客、マーケティング、経理、経営までを実践するプロジェクトが当たり街のコミュニケーションセンターとして復活。

街おこしのモデルとして文部科学省も後付で推奨。その後全国に拡がり、北海道の三笠高校や留萌高校など過疎化の進む地域で続いているという嬉しい話であった。

現在の知育偏重、インプット重視の教育からアウトプットを示しながら学ぶのがより魅力的であるという典型であろう。京都府立大学の和食文化学科、京都造形芸術大学のマンガ学科など特色のある所がどんどん増えてほしい。

次は農林水産省である。前述のように何故田畑も森林もない23区内にあるのか、到底理解出来ない。東京の食糧自給率は1%以下である。1000%以上の十勝・帯広や宮崎県、熊本県の阿蘇、鹿児島県などの食糧生産地に置くべきである。

稲作局は新潟へ、果樹局は福島、畜産局は宮崎へ、野菜局は栃木へ、鶏卵局は茨城へ等々。課としては、りんご課、ぶどう課、梨課、いちご課、さつまいも課、ジャガイモ課、キャベツ課、大根課、レンコン課等。係となると100を超えて行政改革に逆行するのかも知れないが、そこはITやAIの力も借りてほしい。

水産庁は遠洋であれば焼津、土佐清水、枕崎、釧路など。近海なら八幡浜や境港、気仙沼など水産日本の顔的な候補地が目白押しである。

林野庁は広い森で外国(主に中国)から買われて水源地の問題などを抱える北海道か富士山麓のどちらかが良いのでは。JA関係の方々も大手町から後を追ってそちらへ移るであろう。

外務省はやはり東京がベストであろう。日本の長所も欠点も知り尽くしており、大使館や領事館など港区の10%を超える外国人の地方都市での受け入れは困難である。

サイバー攻撃や空中戦、海上戦が主流で旧来の地上戦は東北アジアではもうないと思うが、米軍基地の立川や横須賀に近いという利点もある。

警察庁や消防庁、これに関連する総務省も東京に残すべきであろう。

消費者庁が私の育った徳島への移転話もあるようだが、多分ほんの一部だけでお茶を濁すのではと予測している。「消費者が不便になる」という名目で、移転したくない官僚のいつもの手である。

Amazonなどこれからの消費者動向を見ると地方に移転しても消費者には何の不利益も生じないと思うのだが……。

※本記事は、2020年2月刊行の書籍『令和の改新 日本列島再輝論』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。