〔神経と体の関連部位について〕

姿勢が悪くなると背骨が歪み、背骨や脳から出ている自律神経(内臓の働きを支配)や血管、皮膚に出ている知覚神経などが圧迫されて、その働きに異常が生じます。例えば、腹痛を起こしたとき、ある特定の背部が同時に痛み、その部分を刺激すると痛みが薄らいだりします。

[図表2]体の知覚神経(皮膚分布)、支配領域

〔無意識の働き、カルマ(業)と体癖〕

沖聖師曰く、「偏った感情の傾向や、好き嫌いによる食事の偏りや、栄養の過不足を続けたり、身体の使い方の誤りによる歪んだ姿勢を持続していると、心と身体の習慣となってしまう。この後天的な歪みを性癖(思い方の癖)と体癖といい、この両癖にプラス先天性の思い癖や体質が固定化したとき、各人特有の体型が出来てくるのである。

習慣によって、心身についた癖は、無意識に自分の動き方、考え方を一方的な方向に偏らせてしまう働きとなる。ヨガではこれをカルマ(業)という。このカルマが『せしめる働き』となり、人間の心身上に様々な現象を作り出す。

我々は病もうとか、悩もうとかと思わないのに、つい、病んだり、悩んだりしてしまうが、これを作り出す働きがカルマなのである。

人間はこのカルマ(性癖=思い方の癖、体癖)より生じた障りを、意識的に取り除く方法を講じなければならない。

ヨガ行法はこれを目的とし、ヨガはこの無意識の働きである『せしめる働き=原因』が病気や苦悩を作り出す方向へいくのなら、これを健康と解脱(悟り)の方向へ、方向転換させる行法である。内側の無意識の働きは、外側の思考傾向と行動傾向として表現される。

〔体癖と感情、生理状態の関連性〕

さらに沖聖師曰く「体癖は心理、生理の解剖学的な現われなので、感情は体型を通して表現され、内の生理状態もまた体型として現れるのであって(例えば、腎臓の悪いものは重心が後ろに落ちた前かがみの過食型で右肩が上がっている)、この体型を通してその人の感情状態と生理状態を推測することが出来る。悪事を重ねていると悪人相が出来るのと同様に、その人の感情状態と生理状態は人相だけでなく、体癖も作り上げていくのである。

自己を創り上げるのは自分であり、一切の責任は自分の負うべきものである」。ということです。