もし次回、こんな男性の優しさを見極める機会があったとしたら、その優しさが自分自身のためなのか、相手のためなのかをよく観察してみます。

夫が捕獲のためにやっていただけの行為を、私のためだと勘違いしていたけれど、実は「自分の世話をしてくれる都合の良い女」を探すための優しさだったのだといまごろ気がつきました。

これは完全に夫自身のためです。だから、その優しさは持続しないのです。ただの作戦だから。だからカサンドラの皆さんも、間違っても「あのとき優しかったから、きっとまたあのころに戻るはず」などと思ってはいけません。戻りません、あのころには。

だって、もう自分の所有物になったのだから、捕獲する必要がないでしょう?

待っていても、戻りません、絶対に。

カサンドラを抜けられるかどうかの基準は……

私たちはいま、パートナーとの生活に違和感を覚えてカサンドラとなった。

それ自体、いまの状況を抜け出すための第一歩。

さて、そこからカサンドラを抜け出せるかどうかの次のハードルは「私が悪いのではない」と、気がつくこと。これに気づかず、いつまでも「自分に落ち度があった」、「自分が至らなかった」と思い続けているうちは、カサンドラは抜けられない。

まずはこのハードル。これを越えないと、その先には進めない。

多くの方は、いまもなお「私が悪かったのかもしれない」と思ってはいませんか?

いや万が一こちらに非があったとしても、愛する家族にDVやモラハラや虐待はやってはいけないことなのです。

そして次に、相手を責め、憎み、許せないと嘆き……その段階を乗り越えたら、その次に初めて、相手を理解するというハードルを越えられる。

多くの方は、相手を許せないまま離婚し、次の結婚なりお付き合いを始めてしまう。それではまた同じ結果になります。

まず自分を理解し、次に相手も理解する。これができたら、本当の幸せを見つけられると思います。

※本記事は、2021年6月刊行の書籍『カサンドラ症候群からの脱却』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。