若者が多いロック・ミュージシャンもあまりに若者特有のエネルギーを持ち過ぎていて、過激なパフォーマンスを繰り広げると、反社会的に思われ、また異常者扱いされて、精神病院に収容されるかもしれない。若くて進取〈新進気鋭?〉な者も、反社会的であるとされ迫害されることはままある。迫害が、また、そのような人間達が子孫を残すと人間社会に()を及ぼすとまで考えられるようになると……、

世界的に有名な天才政治家アドルフ・ヒトラーなどは、ユダヤ人だけでなく、そのような者達、つまり子孫を残すと社会に不穏な影響を及ぼすと考えられる人間までも抹殺しなければならない、と考えて強制収容所に送り込んだ。

現代のロック・ミュージシャンも過激で、それで反体制的にも、異常にも見えるのであるから、それらに分類されてしまうかもしれない。

ヒトラーは天才政治家と言っても「政権奪取」が天才的であって、全世界中の人がよく知っているように、その行った独裁政治で600万人ともいわれるユダヤ人や、敵対する政治犯、敵捕虜、また精神病者、そして前衛的なアーティストまでも? 虐殺してしまった事は、歴史に残る残虐行為なのは言うまでもない。

我が日本でも第二次世界大戦中の非常時下、そのような事はあったと十分推察できる。戦後の日本でも、北杜夫氏(精神科医・作家)などは、僕は病人に薬を処方する事を考えるより、開けて手術する方が得意だ、とかいうような事を書物の中で書いていたが、そのような病気を『精・神』との漢字を当てているような呼び方で表わし、〈脳〉は魂と神との枢機な構成物であって現代でもそう容易(たやす)くanatomy<解剖>はしないと思うが、彼のユーモアなのだろうか?

こんなふうに、MDMA、ドラッグとか、麻薬とか、色々偉そうに、知ったかぶりに書いていると、今度は本当に麻薬取締官のチェックが入って、「この著者?」は、本当は過去に、あるいは現在にでも、何か薬物をやっていた、またやっているのではないだろうか? 等と疑われ始めて、その様な事を気にしだすと、また緊張して夜も眠れなくなる、というような事にもなる。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『NEAT-CARE short short』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。