紅茶見聞録その6 イングランド発祥ラグビーと紅茶の意外な接点

世界は、経済二大国の米中が露骨な世界経済覇権指向のもと、大儀名分を掲げつつもエゴもチラチラと見えてくる展開が続いている。国によっては権力者や政治家たちが、個人の権益確保に走っているケースも数え上げればきりがないほどである。

ラグビーワールドカップのティア1の強豪4チームを擁するイギリスはといえば、その時点でボリス・ジョンソン首相率いる与党・保守党が下院過半数を獲得し、長年の懸案であったEUからの離脱を強引に実現させてしまった。一方で、スコットランドが独立を求める動きや英国の一部であるアイルランド内北アイルランドの国境や通商経済の課題も残っている。

日本は、核を含めた世界平和や地球環境に向けた、本来望まれる世界へのアピールができているとは言えない。地球は一つだが、各国の思惑は異なるため、解決すべき不調和が山積している。

[写真1]北アイルランド・ベルファストには、英国女王に因むクイーンズ大学がある

翻って、スポーツは人々の心を高揚させ、プレーヤーだけでなく、それを見る人たちにも一体感を生み出してくれる。地球をワンチームと考えたなら、日本も含めて必要な軌道修正に取り組めないものかとも考えさせられたラグビーワールドカップだった。

エリス少年がラグビー校でゴールに向かって走った1823年は、同じ英国のスコットランド人ロバート・ブルースが、インド・アッサムの奥地で初めてアッサム種の木に巡り合った年だ。

ラグビーの誕生と世界的な紅茶産業をもたらしたアッサム種茶樹の発見は、偶然ではあるが、地球上で今からおよそ200年前の同じ年に起きていたことになる。ともに世界の他の地域へと人々を惹きつけ、巻き込みながら、発展を遂げてきた。そしてイギリスが発信の接点となって、ワールドワイドに展開していった事実は、共通点と言えよう。

[写真2]レストランのフィッシュアンドチップス