牛乳飲めたよ

ぼくはると。

6才、年長、そら組。

ぼくのお母さんは、今はお仕事をしていないんだけど、ぼくが生まれるまでは「かんりえいようし」ってお仕事をしてたんだって。みんなが色々な食べ物からえいようをいっぱいとれるようにお手つだいするお仕事なんだって。

おかあさんの作るごはんはまほうをかけたように美味しいんだよ。

みんなは「ピーマンはくさいからきらい」「ナスはプニュプニュしてるからきらい」「お魚きらい」っていってるけど、ぼくは、お母さんの作るごはんで、そういう風に思ったこと一度もないんだ。きっとさ、みんなもぼくのおかあさんのごはん食べたら、苦手な食べ物がなくなるよ! って思っているんだ。

ある日、ようちえんのおやつにドーナツと牛にゅうが出た。ぼくは牛にゅう大すき! お家で飲むときよりも小さいパックに入った牛にゅうにストローをさして飲むんだよ。

ドーナツと一緒に飲むとすっごいおいしいねー! お口の中でちょっとくっついちゃったドーナツをさ、牛にゅうが一緒におなかにつれて行ってくれるんだよね。ドーナツには、やっぱり牛にゅうだよね。

ぼくはあっという間に飲み終わり

「美味しかったー」

と言った。先生は

「おー! はるとくん、一番だね! はるとくんは牛にゅうがすきなの?」

と言った。

「うん。すきだよ。ぼくはきらいな食べ物も飲み物もないよ」

と言った。

「そっかー! えらいね!

お野さいもきらいなモノないの?」

と先生が聞いたから

「ないよ。なんでも、全部すきだよ」

って言ったら

「はるとくんはすごいね!」

とほめられたよ。

そしたら、がくとくんが

「おれ、牛にゅうきらい。くさいし」

としょんぼりしながら言った。