[図表3]一貫群と放浪群

この表は『希望調査』で第1希望にしたコースを起点にして、基本演習および専門演習すべてで同じコースを選択した学生群を〈一貫群〉として、その人数を割り出したものである。たとえば、第1クラスター第1グループでAコースを第1希望にした50名のうち、11名は基本・専門演習ともAコース所属であったことを表す。その逆で、この表には第1希望を起点として、基本演習→専門演習とすべて異なるコースを選択した学生群を〈放浪群〉として、その人数も示している。

たとえば、第1クラスター第1グループでBコースを第1希望にした43名のうち、3名は基本演習ではBコース以外、そして専門演習は2つと異なるコースを選択したことを示している。表の読み方が分かったところで、改めて〈一貫群〉から人数を確認しよう。

まず、第1クラスター第1グループではDコースが35名で最多であった。第1希望が一番多いコースだったからだろう。第2グループで第1希望の一番多いDコースと第3グループで第1希望の一番多いAコースが各7名と、それぞれ最多であった。一方、第2クラスターでは唯一『希望調査』を提出した学生が〈一貫群〉であった。その結果、〈一貫群〉であった学生は合計109名(全サンプルに占める割合22.3%)だった。このうち、『ランキング調査』でも同じコースを1位に選んだ学生は合計38名(同7.8%)だった。

次に、〈放浪群〉の人数を確認しよう。第1クラスター第1グループでは、やはり第1希望が一番多いDコースが25名と最多であった。第2・3グループは各3名ずつで、結局、〈放浪群〉の学生は合計49名(10.0%)で〈一貫群〉の半分にも満たなかった。これまでコース選択の連動性が観察されなかった中で、〈放浪群〉が相当数存在すると予測していたが、これは正直意外だった。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『学生の「やる気」の見分け方』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。