「 良い子の皆さん! 大人と一緒にね 」

「巨大なキノコ雲」の遊びの事もそうなのだけれども、そういうのをやる時には大人と一緒か、大人によく注意を聞いたりしてからやらなければいけないのだ。場合によっては生命(いのち)にも関わる事もあるからであり、僕なんか小さい頃、本当に死に()ぐったことがある。

それは、僕が小学生になって直ぐの頃のことで、小学校三年生ぐらいの時の事だったか? 僕の家の近くには、見沼田んぼという見晴らしのよい広大な景色の場所があり、そこは僕が散歩も兼ねてよく夕日を見に行き、また遊びにも行った場所でもあるが……。

その田んぼに出て少し遠くを見()ると、広い田んぼの中ほどを「東武野田線」という私鉄の線路が貫いて走っている。それは、どこかのアニメ映画にでも出てきそうな、日本の典型的な、夕日が奇麗で広大な場所でもある。

僕は友達とよくその電車の線路近くに行き遊んだが、それは、鉄道の線路上に五寸釘という比較的太くて大きい釘を置いて、電車を通過させ、それでペッタンコになった物を拾ってきて、ヤスリなどで削ってペーパー・ナイフなどを作るということをやっていた。

僕らは、普通に線路上に釘を置いて、電車が来た時にだけ、それを避けていればよかったのだけど、なぜか同じ線路でも、そこから少し離れた見沼代用水という川に掛かっている、大きな鉄橋の線路上に釘を置いてみたりするようにもなった。

そして、そんな事を繰り返していたある日、僕が、電車通過後の釘を拾いに行ってその鉄橋の中央辺りまで来ると、歩いて行った方向とは逆から下りの電車が近づいて来て、焦った!

汽笛を鳴らし、僕が歩いていても、それでもどんどんと近づいて来たので、それで僕は鉄橋の線路上を走りだして逃げようとした。その鉄橋の僕の足下は鉄の棒の線路と(まくら)木が組み合わされただけのもので、僕が下を()かして見ると川の流れが見えた。僕はそれを見てさらに焦り恐ろしくなり、それで、転んでしまい膝小僧に怪我をしたのである。

しかしながら、何とか僕は、その鉄橋を自力で渡り終え、その川の向こう岸の土手に転がり落ちたのである。